メソッド
ユーザーグラフマーケティングの工程一覧
ユーザーグラフマーケティングのフェーズ一覧
ユーザーグラフマーケティングには大きく5つのフェーズがあります。
調査/分析
仮説検証
ユーザーグラフ作成
戦略立案
施策実施
これらの工程を順を経て実施していくことで複合的なユーザー理解が深まり、どの訴求軸がどのフェーズのユーザーに刺さりやすいのか、またその訴求軸をどんなコミュニケーションアイデアに落とすとユーザーの態度変容が起こりやすいのか、などが分かります。
ここでは、実際にそれぞれのフェーズ別に詳細内容を記載していければと思います。
1. 調査/分析
まずはユーザーのことを理解するための情報収集を行うことが必須となります。ユーザーグラフマーケティングにおける調査内容には下記があります。
また、ユーザーグラフマーケティングの「調査/分析」における調査/分析フォーマットを公開しておりますので、ぜひこちらをご使用ください。
マーケティング担当者調査
あなたがマーケティング担当者ご自身の場合はご自身の内省になるのですが、現状の定量情報からご自身の中で持たれている仮説も含めた定性情報に至るまでをご記載ください。
担当者が、ユーザーとの距離が一番近いケースがほとんどかと思いますのでなるべく詳細まで記載くださいませ。
マーケティング責任者調査
次にマーケティング責任者にヒアリングを実施いたします。マーケティング担当者同様、現状の数値感や打ち手、訴求軸仮説に至るまでを調査いたします。この際に、マーケティング担当者とは別にヒアリングをすることが重要となります。往々にして担当者と責任者の間でも認識や考えに違いがあり、そこに基づき、現状がユーザー本意の施策になっていない場合があります。
広告 / Google Analyticsデータの解析
マーケティング担当者や責任者の方が持たれている課題感をもとに現状の定量調査を行います。多くの企業様はGoogle Analyticsを活用されていると思いますので、そちらのデータをもとに調査を行います。(※数値管理に他企業様のツールを使用されている場合はそちらを使用ください)
また、広告のパフォーマンスがマーケティング成果の変数として大きい企業様の場合は、広告管理画面の数値を重点的に見ることも必須となります。ここでは、どの変数が変数として大きく未来に対しての期待値が高いか、を明確にします。
マクロ調査
マーケティング担当者、責任者の方にヒアリングした結果を踏まえ、アンケート調査を実施いたします。アンケートは100〜1000名ほどに実施するのが好ましいです。
この場合、ユーザーごとの声を聞くというよりかは、現状持っている仮説の方向性がマクロ視点で正しいかの検証を行うことが目的となります。広告費を数百万円以上使用しているのにも関わらず、数ヶ月以上このマクロ調査をしていない企業様がいらっしゃれば黄色信号と思っていただいたほうがいいかもしれません。マクロ調査だけでも、仮説のブラッシュアップに大きく寄与するので実施することをおすすめいたします。
自社で実施を希望される方は下記のようなツールもございますので参考までに記事(マクロ分析に最適なツール9選まとめ)もシェアしておきます。
2. 仮説検証
「調査/分析」フェーズで収集した情報をもとに提供価値仮説を立てていきます。こちらはユーザー側の課題感の仮説を明確にした後、各課題に対して該当プロダクトがどのような提供価値を発揮できるかをまとめていきます。
提供価値仮説を立てる際のフォーマットもこちらにありますので、もしよろしければご使用ください。
ユーザー課題の明確化
これまで収集した情報をもとにユーザー課題を深掘りしていきます。顕在的に出ている課題はほとんどのケースでユーザーの本当の原因ではありません。仮説として挙げられるユーザー課題を一覧化し、それぞれを深掘りしていくことで原因仮説や真因に共通項が生まれ、よりペインが深い、ユーザーの真因を発見することができます。
提供価値仮説まとめ
ユーザー課題の真因を明確にした後、それに対して該当プロダクトがどのように価値貢献できるか(提供価値)の仮説をまとめます。
この際、該当プロダクトの独自性を活かした提供価値であればあるほど、プロモーション実施時の強みとなり、効果的です。
ユーザー検証の実施
これまでの分析、提供価値仮説を元にユーザー検証を行って参ります。ユーザー検証にもいくつかの実施方法があります。ユーザー検証を行う際はこちらの記事(ユーザー検証に最適なツール9選まとめ)を参考になさってください。
また、弊社でもユーザーグラフマーケティングに則ったユーザー検証ツールを提供しているので、こちらでも包括的にユーザー検証が可能となっておりますのでぜひご覧ください。
3. ユーザーグラフ作成
提供価値仮説を検証した後、分析まとめを実行いたします。大きく3つの視点から分析内容を整理し、戦略立案ができる状態にいたします。またこの際、いつ誰が見てもわかるように整理しておくことで、プロモーション分野だけではなく、商品開発部門との連動に使用できたりなど、複合的な価値にもなります。検証結果をまとめるシートもこちらに用意しておりますので合わせてご利用ください。
調査結果(ユーザー像)
より鮮明になったターゲット像を明確化します。ターゲットのコアニーズや年齢、性別などの基本的な情報はもちろん、その人の価値観や大切にしていることなど、態度変容に関連の深い要素からまとめていきます。
調査結果(カスタマージャーニー)
ターゲットユーザーへの調査を元に、ユーザーの購入までの導線を記入していきます。ユーザーの行動や、そこから分かる「抱えている問題」、チャネルなどをまとめます。
その後、各フェーズ別でのユーザー行動やユーザーが抱えている問題を詳細に記載していきます。ここの深掘りを実施することでより戦略立案の精度が上がります。
調査結果(提供価値)
事前の仮説立案時に立てていた「提供価値仮説」や既存施策で使用していた訴求も含め、それらがユーザー調査でどのような評価を受けたのかまとめます。一目で分かるように点数化、そしてそれを記号評価しておくことで他の人に伝達するときも、よりスムーズになるかと思います。
現状、我々は左添付のようにユーザー別に4つの評価にて判断しております。
ユーザー調査の際に実際にユーザーに選択してもらい、そちらを反映しています。
また、上部画像の「詳細」欄にその際にユーザーの声で参考になることも記載しておくことで、訴求軸別にユーザーの温度も把握することができます。
4. 戦略立案
第1〜第3フェーズを経て、戦略立案の準備となります。第4フェーズではそれらの内容を元に戦略を構築して参ります。主にコミュニケーション戦略は下記のプロセスを経て思考を進めていきます。
ユーザーコミュニケーションにおける目標、予算の決定
コミュニケーション戦略の基本方針及び、最終的な目標やその達成のために使用可能な予算の設定などを行います。ここでゴールを明確化しておき、施策の成功可否を計測できるようにしておくことが必要となります。
コミュニケーションメディアの選定
ユーザー接点をどのメディアで持つか、またメディア別でのターゲットや予算割り振りなどを設定します。またこの段階でそれぞれのメディアでのコミュニケーション目的を明確化しておくことで、コミュニケーション内容を考える際、円滑に進めることができます。
コミュニケーション内容の決定
ここでは、具体的なコミュニケーション内容を決定して参ります。それぞれのメディアでどのようなメッセージを発するか、どのようなビジュアル、デザインでコミュニケーションを図るか、など具体的な施策を決定していきます。
5. 施策実施
戦略立案が完了すれば、残りは施策を推進するのみです。施策推進においてはスピードとそのクオリティが重要になります。デジタル領域においての施策推進におけるクオリティ向上のためのメソッドも別途まとめておりますので必要があればご使用ください。
まず始めるためには
ここまでユーザーグラフマーケティングにおける実施事項を一覧化し、まとめてきましたがいかがでしたでしょうか?やることは膨大ですが、まずは何より少しでも始めてみることが重要です。
ユーザーグラフマーケティングで最も重要視しているのは何よりも「ユーザーを知ること」ですので、まずはその情報収集を是非行ってみてください。
情報収集時における、ユーザーグラフマーケティングの「調査/分析」における調査/分析フォーマットを公開しておりますので、ぜひこちらをご使用ください。
本記事が皆様のマーケティングにおける課題解決に少しでもお役に立てれば幸いです。
meycoではユーザーグラフの考え方に則ったマーケティングに関するご支援をしています。よろしければお気軽にご連絡ください。
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