METHOD

メソッド

2022年4月22日
YAMAMOTO SHINYA

体験価値の考え方 ユーザーニーズに沿った体験価値を作るには?

身近にあるロングセラーの商品やサービスがなぜ、「ロングセラー」なのかを考えてみたことはありますか?

理由は、いくつかあるかと思いますが、そのひとつに「ユーザーニーズに沿った体験価値」の提供があると思います。

つまりは、人の心を掴んで離さないポイントだと思います。

今回は、そんなユーザーニーズに沿った体験価値をどうやって作っていくかについてお伝えしていきます。

ユーザーニーズとは

そもそも、ユーザーニーズとはなんでしょう。

各所で様々な定義付けがされていますが、ここでは、理想と現実の間を埋める最優先欲求だと定義付けします。

日々の生活の中で抱く「不満」や「ストレス」と思い描く理想とのギャップを埋めたい!と感じたときに生じる「最優先欲求」のことです。

私たちが商品やサービスを購入するとき、少なからず、自分のニーズが満たされるかを吟味しながら購入行動をしていると思います。

つまりは、このニーズが満たされなければ、商品やサービスはユーザーに選ばれることはありません。そのため、あえて「最優先」と言う言葉を用いてお伝えしますし、もっと言えば自社の商品やサービスが満たさなければいけない「最低限、必要不可欠、絶対的」な欲求です。

文章だと分かりにくいかもしれませんので、すごく端的にお伝えすると、

シークレットシューズ(商品・サービス)

手軽に身長を高くする商品が欲しい(Wants)

今よりもルックスを良くしたい(Needs)

モテたい(本質的な欲求)

となります。

この「理想と現実の間を埋める最優先欲求」が満たされる商品・サービスが、つまりはユーザーニーズに沿った体験価値を提供するものとなります。

では、ここからは、さらにニーズについて深堀りしていきましょう。

ニーズは大きく2つに分けることができます。

ユーザーが自覚している表面的な「顕在ニーズ」とユーザー自身が自覚していない本質的な「潜在ニーズ」です。

<顕在ニーズ>

ユーザー自身がどんな欲求を満たしたいかを明確に自覚している状態を指します。ユーザーニーズ全体をにんじんに例えるなら、顕在ニーズは地面から出ている「にんじんの葉っぱ」です。

誰が見ても、明確に「にんじんの葉っぱ」だと分かる状態、可視化されている状態です。

<潜在ニーズ>

ユーザー自身がどんな欲求を満たしたいか自覚していないない状態で、さらに顕在ニーズに隠れてそもそも、潜在ニーズがあるかも明確になっていない状態を指します。

ただ、何かしらの「不満」や「ストレス」を抱えているため、何となく欲求があると言う状態です。潜在ニーズはにんじんの「にんじん部分」と同じで、地面からは見えませんが、地面下には確かに存在しています。

ユーザー自身も日々の生活の中で、ある日突然気が付き顕在ニーズになることもしばしばあります。広告やSNS、インフォマーシャルなどの外部からのコンテンツの影響が大きいのではと思います。

先に使用したシークレットシューズの事例を元に簡単に表すとこのようになります。

シークレットシューズ(商品・サービス)

手軽に身長を高くする商品が欲しい(Wants)

今よりもルックスを良くしたい(顕在ニーズ)

モテたい(潜在ニーズ)

ここまでは、ユーザーニーズについてお伝えしてきました。

改めて、企業が商品やサービスを継続的に提供し続けるためには、ユーザーニーズを理解した上で、ニーズに沿った体験価値の提供が必要だと言えます。

ここからは、体験価値の考え方についてお伝えしていきます。

体験価値=課題解決策? 提供できること?

企業の商品やサービスがユーザーに提供する体験価値とは何でしょう。

ユーザーが抱える課題を解決する具体的な方法でしょうか。または、商品・サービスがユーザーに提供できるスペックや特性のことを指すでしょうか。

結論、「両方」です。

体験価値とは「商品・サービスが提供できるスペックでユーザーの課題解決をもたらすこと」と定義させていただきます。

もし、企業側が、ユーザーがどんな課題を持っているか、日々どんなことに「不満」を持っているかを知らなければ、自社商品・サービスのスペックが「何に対して」また、

「誰に対して」スペックになり得るかを紐付けることができていない状況だと言えます。

そうなってしまうと、継続的に商品・サービスを提供していくことは難しいと思いませんか。

具体的に何が体験価値になるのかを今回もシークレットブーツを用いて考えてみます。

あなたがシークレットブーツの営業マンだとして、毎日100足、売らなければいけない状況だとします。どんな「不満」を解消して、100足販売しますか?

すごく簡易的に考えてみます。

<スペック>

・自然にスタイルが良く見える

・即効性がある

・人に知られずに身長を高くできる

<課題(不満)>

・背が低いことでスタイルが悪く見える

・スタイルを今よりも良く見せたい

このように商品・サービスのスペック(特性)を用いて、解消できる課題を「体験価値」としています。それでは、ここから具体的にユーザーニーズに沿った体験価値をどのように作っていくかについて考えていきます。

ユーザーニーズに沿った体験価値を作る3つのポイント

<3つのポイント>

・ユーザーは誰か

・ユーザーニーズは何か

・ユーザーに提供できる価値(スペック)は何か

<ポイント1>  ユーザーは誰か

ユーザーとは、つまりは商品・サービスを使う消費者のことを指しますが、企業は「誰」をユーザーとして指定するかを考えなければいけません。

先のシークレットブーツだとすると、身長が185cmの方で、「身長を高く見せたい!」というニーズを抱いていない人は、商品のユーザーには適していないと言えます。

このように、ユーザーニーズに沿った体験価値を作るには、ユーザーは誰なのかを明確にする必要があります。

<ポイント2>  ユーザーニーズは何か

誰をユーザーにするのかが定まったら、そのユーザーがどんなニーズを持っているかを把握する必要があります。

ユーザーのニーズ事案をどれだけ把握できているか、「不満の数」だけ「ニーズ」もあります。いかに、多くの事案に触れられるかを意識しましょう。

具体的に、ユーザーニーズを把握するにはいくつかの方法があります。

顧客へのヒアリングやアンケート、インタビュー、SNSによる調査等があげられます。

それぞれ、メリット・デメリットがあるためいくつかの方法を掛け合わせてニーズ調査をすることを推奨します。

ユーザーのニーズを洗い出す際にこのようなシートを活用してみても良いかもしれません。

課題内容に対して、「なぜ」、「どうして」を投げかけ深堀りしていきます。

そうすることで、顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまでも可視化し、仮説を立てることが可能となります。

参考:[meyco株式会社]仮説立案フォーマット(Googleスプレッドシート)

<ポイント3>  ユーザーに提供できる価値(スペック)は何か

自社の商品やサービスのスペックを書き出してみましょう。

つまりは、その商品・サービスが提供できる、叶えられる事実ベースの事柄を指します。

その書き出しが完了したら、下記のシートなどを使用して、ユーザーニーズに対して、

どのような価値を提供できるかを書き出す工程に進みます。

商品特性が「どうしたら」体験価値になるのか、どんなユーザーニーズをどんなスペックで満たすことができるのかを考えていきましょう。

参考:[meyco株式会社]仮説立案フォーマット(Googleスプレッドシート)

まとめ

今回はユーザーニーズに沿った体験価値を作ることについてお伝えしました。

自社の商品・サービスについて、「なかなか思うように売上拡大に繋がらない….」など苦戦されている方もいらっしゃると思います。

商品・サービスを提供する企業側のニーズに沿った価値提供だけだと、ユーザーニーズが反映されにくくなり、結果としてユーザーが求めてることとのミスマッチが起こってしまいます。

そうならないためにも、ユーザーニーズを定期的にキャッチアップできるように、今回ご紹介したポイントを踏まえてご活用いただけたら嬉しいです。

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