こんな方におすすめの記事です
✔︎これからECサイトを構築する予定のある方
✔︎ECサイトをリニューアルしたい方
✔︎ECのマーケティング担当者・運営担当者の方
ECサイトの構築方法は複数あるため、その中から目的や規模に合う方法を探すのはなかなか大変です。ECサイトの構築やリニューアル担当になったものの、何から始めて良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
ECサイト構築で重要なのは、自社の思い描くデザイン・機能を予算内で実現することです。そのためには構築方法の種類や、制作手順・流れ、メリット・デメリットについて理解を深める必要があります。これらを把握していないと、目的を達成できない方向へ進んでしまうためです。
この記事では、ECサイトの構築方法や制作の注意点などを解説します。
ECサイトとECモールのメリット・デメリット
ECサイトは自社ECサイトとECモールの2つに分類できます。
ECモールは他社が提供しているサービスに出店する方法です。一方、自社ECサイトは独自ドメインを利用する方法で、自社で構築する必要があります。それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
ECモールであれば、出店するモールによって構築方法は限られてきます。しかし、自社ECサイトは構築方法が数多くあるため、メリットを生かすためにも予算や目的に合わせた方法を選ぶことが重要です。
制作までのステップ
自社ECサイトの構築方法を選択する事前準備として、以下の3つのステップがあります。
ステップ1:コンセプトや目的を明確にする
ステップ2:おおまかな予算・制作期間を確認する
ステップ3:ECサイトに必要な機能を洗いだす
これらが決まっていないと、どのECサイト構築方法が最適なのかは判断できません。そのためECサイトを作る前に必ず検討してください。
ECサイトの種類別の構築手順
ECサイトのコンセプト・目的などが決定すると、それに適したECサイト構築方法の選択です。ここでは、4種類のECサイト構築方法の特徴や制作手順を紹介します。
1.ASP
ASPとはApplication Service Providerの略で、クラウド上のソフトウェアを利用できる仕組みです。ECサイト構築方法のASPは、カート機能を中心としたクラウドサービスを指します。
ASPには無料ASPと有料ASPの2種類があります。
無料ASPはその名のとおり、初期費用や月額費用のかからないASPです。リスクなくECサイトを開業できるので初心者におすすめです。
有料ASPは月額費用がかかるものの、手ごろな価格で操作性に優れたサービスが利用できます。管理画面を操作することで、HTMLやPHPの知識がなくても構築できるのが魅力です。
ASPの代表的なサービスは、BASE、STORES、Make Shopです。
ASPでのECサイト構築手順
ASPでの構築手順は多くの場合で以下の流れになります。
1)会員登録
2)ショップ基本情報登録
3)決済・注文関連の設定
4)配送関連の設定
5)デザインの設定
6)商品管理
わずか1日でこれらの手順が完了し、同日から開業できるASPもあります。
2.パッケージ
パッケージとはECサイトに必要な機能をパッケージ化したソフトウェアのことです。
カスタマイズ性が高く、サイトの成長にあわせて必要な機能を追加できるのがメリットです。しかし、初期導入費用が高額で開発期間も長くなるのがデメリットです。費用面などから年商1億円以上の売上規模のECサイトに向いています。
パッケージの代表的なサービスは、ecbeingやEC-Orangeです。
パッケージでのECサイト構築手順
パッケージでの構築手順は、おおまかに説明すると以下のとおりです。
1)会員登録
2)インストール
3)決済・注文関連の設定
4)配送関連の設定
5)商品管理
6)デザインの設定
ASPでは1日で構築を完了できる場合もありますが、パッケージではそのようにはいきません。自社ECサイトに合わせて機能を選択・調整したり、新たに機能を開発したりするためです。最低でも3ヵ月程度の開発期間が必要です。
3.オープンソース
オープンソースとは、プログラミングのコードが無料で公開されているソフトウェアのことです。
例えば、ブログのオープンソースであるWordPressをイメージするとわかりやすいでしょう。ちなみにWordPressでも、プラグインを利用することでECサイトを構築できます。
オープンソースは自社のビジネスモデルに合わせたり、基幹システムと連携したりできるなどカスタマイズ性の高さが魅力です。
オープンソースの代表的なサービスはEC-CUBEです。35,000店舗以上に導入されている実績があります。
オープンソースでのECサイト構築手順
オープンソースは自社でサーバーをレンタルして管理・保守する必要があります。そのため、オープンソースでECサイトを構築する手順は以下のとおりです。
1)レンタルサーバーを契約
2)オープンソースをダウンロード
3)サーバーにオープンソースをインストール
4)各種設定
5)商品登録
オープンソースの注意点はセキュリティの脆弱性です。コードを公開しているため、セキュリティホールが発見されやすいためです。オープンソースでECサイトを運営する際は、バージョンアップをこまめにするなどの対応が必要不可欠となります。
4.フルスクラッチ
フルスクラッチとは、ECサイトのシステムをゼロの状態から構築する手法です。
フロントデザインの自由度が高いことはもちろん、在庫管理・物流システム、別システムやモールECとの連携など自由自在に機能を搭載できます。ただし、フルスクラッチは1,000万円を超える高額な費用が発生することも珍しくなく、開発期間も半年から1年以上となります。
そのため、年商1億円以上の大規模なECサイト構築に向いていますが、パッケージ製品で対応できるECサイトは選択肢から外しても問題ないでしょう。
フルスクラッチでのECサイト構築手順
完全にゼロの状態からECサイトのシステムを開発するため、フルスクラッチの手順は以下のとおり複雑です。
1)販売戦略の策定
2)コンセプト決定
3)要求定義
4)販売チャネルの決定
5)制作会社・パートナー選定
6)サイトマップ、ワイヤーフレーム作成
7)デザイン・コーディング
8)商品登録
9)決済方法・配送方法の設定
10)テスト
11)リリース
このように行程が複雑なため、開発期間は半年から1年以上かかります。
ECサイトを制作するときの注意点
ECサイト制作時に注意すべき点は、機能やデザインを思い通りに仕上げることだけではありません。以下の3つの点にも注意をしましょう。
ECサイトのコンセプトや目的を共有したか
ECサイトを複数人で構築する、または外部の会社に依頼する場合、担当者全員がコンセプトや目的を共有する必要があります。これらを共有することで、同じ完成イメージを持ちやすくなるためです。
ユーザーが使いやすいかどうか
ECサイト構築時にシステムの効率性ばかり考えてしまうと、ユーザーが使いにくいサイトになる可能性があります。顧客に良い購入体験を提供できるように、使いやすいかどうかのチェックも怠らないようにしましょう。
改善しやすいかどうか
ECサイトを構築して運用すると、想定外のことがおきたり、使い勝手の悪い部分がでてきたりします。改善しやすいように構築することで、操作性やユーザビリティを高めるのに役立ちます。
まとめ
ECサイトの作り方のコツは「コンセプト」や「目的」を実現できる構築方法を選ぶことです。
費用を抑えてスモールスタートしたいのであれば「ASP」がおすすめです。規模が大きくなり、リニューアルしたいのであれば「オープンソース」「パッケージ」などのカスタマイズ性の高い構築方法がおすすめです。
ECサイトを構築する際は「目的」を達成するためにも、ユーザーが使いやすいかどうかを意識しながら制作を進めましょう。
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